「歯列育形成・研究会」
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日本人小児のアゴが小さくなって、歯がきれいに並びきらないので、これからの日本人の多くは、歯並びがよくない状態となり、これにまつわる疾患もさらに増加してくるといわれています。
こうした問題を解決するために、始めからきれいに並べてしまおうという技術が「歯列育形成」で、注目を集めています。

低年齢のうちから取り外しのきく「プレート」を1日12時間だけつけていただきます。そうして、成長に合わせて顎の骨の成長を促して乳歯から永久歯の生え変わりをスムーズにきれいな歯並びに誘導していく矯正です。

今までの常識で考えられるよりも、歯やアゴをもっと美しくできるということです。それは技術的にも簡単であり、患者さんにとっても楽であるという二つのすぐれた点を持っています。

現在の「成人矯正」の技術は、ほとんど欧米から入ってきたものです。矯正より低い年齢から歯並びをなおす治療は「咬合誘導」と呼ばれていますが、この技術はアメリカの考え方に影響されており、現在では咬合誘導を行うのは、多くは小学校3〜4年生頃からです。これよりもっと年齢の低い幼児期に歯並びの処置を行うとなると、一般におこなわれている「咬合誘導」とは異なった考え方が必要になってきます。それは、永久歯はまだあまり生えていないか、または全部が乳歯であるからです。異なった考え方とは、正しい永久歯の歯並び(咬み合わせ)にするために「乳歯を利用する」ということです。
この「乳歯を利用する」ことの中には、乳歯の位置を少し変化させて正しい位置に永久歯を生えさせたり(乳歯の位置を変化させて正しい位置に生えるようにすることを「連体移動」といいます)、乳歯の咬み合わせを変化させて、上アゴや下アゴがもっとも美しい形となるようにする方法などがあります。
咬合誘導の中でも、この乳歯を利用する方法をとった場合を「歯列育形成」と呼んでいます。
歯列育形成を行うには、簡単なプラスチックでできた、通称プレートと呼ばれる器具を、一日のうち指定された時間だけ、口の中へ入れる方法をとることがほとんどです。
こうした「歯列育形成」を行うと、どの子もきれいな歯並びになり、しかも虫歯無しで、奥まで真っ白の状態になります。それは、どの歯も生え始めの時に、重点的に予防処置を行うからです。
今までの歯列矯正や、小児歯科で行われている咬合誘導では、歯並びが悪くなってから治す、あるいは歯ならびの問題点が生じてから治すという考えがありました。歯列育形成では、乳歯列の形を整え、咬み合わせを正しくして、アゴの形がきれいに発育するように誘導し、永久歯は生えてくる順番に始めから一本ずつ並べていくのが基本的な考えです。

従来の歯列矯正は一度出来上がった咬みあわせを壊して再構築する方法ですが、歯列育形成によって始めからきれいになった歯並びは、自然に出来上がった咬み合わせ(咬合)となっていることが特徴です。
そのため、歯列育形成を始めるには、理論的には年齢が低ければ低いほど、顔を美しくできるということがいえます。事実、その点では大いに効果があります。
その理由は、年齢が低ければ低いほど、骨の発育に変化を与えやすいからです。しかし、幼児への対応ということがありますので、実際には二歳半か三歳頃から始めるのが理想です。遅い場合には、永久歯が生え始めの頃から行うこともあります。